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金箔×紙
~きってもきれない密接な関係~

金箔×紙

加賀藩初代藩主・前田利家公の時代から400年間にわたって受け継がれてきた「金箔」。

金を1万分の1mmという極限の薄さにまで打ち延ばし、黄金の輝きを放つ金箔を生み出すために、職人たちは、技術をみがき、長年の知恵と経験をいかして、金箔づくりに情熱をそそいできました。


職人それぞれが工夫をこらしたつくり方を持ち、それは門外不出。「金箔屋が火事になったら、箔打ち紙を持って逃げたもんだ」と伝えられるほど大切なものでした。

紙の仕込みこそが、
金箔職人の腕を決める!?

そんな金箔づくりの必需品のひとつが、金を打つときに間にはさむ「箔打ち紙」。雁皮(がんぴ)と呼ばれる植物を原料にした和紙・下地紙を何度もたたいてつくるもので、金箔をできるだけ薄く、均一に延ばすためには、良質な箔打ち紙が欠かせず、紙の仕込みは職人の一番の腕のみせどころです。

一人前の箔打ち紙になるまでは半年近く。根気のいる作業ですが、この仕上がりが金箔の出来を大きく左右するため、職人たちは心をこめて育てていくのです。

金箔職人は「柿渋や卵などを混ぜた灰汁(あく)にひたす」「紙をたたく」の作業を繰り返し、金箔打ちに耐える丈夫な紙をつくります。

ふるや紙豆知識:ここにも職人の工夫が!

箔打ち紙をよく見ると、文字が入っていることがあります。これは紙の表裏や縦横の目印として金箔職人が押したハンコ。名前や縁起のいい言葉などそれぞれが工夫して入れていたそうです。

金箔づくりのための
「紙を追い求めて

下地紙の生産地は、今では兵庫県西宮市「名塩」、石川県川北町「中島」、金沢市「二俣」のみ。このうち二俣の和紙を箔打ち紙にはじめて取り入れたのが、箔一社長 浅野達也の祖父にあたる金箔職人でした。

戦後、箔打ち紙が入手しづらくなり、遠く名塩に足を運び、紙職人とともに良質な箔打ち紙をつくりあげます。その後、二俣でも箔打ち紙の共同開発に取り組み、試行錯誤の末、二俣和紙の箔打ち紙づくりに成功しました。

二俣和紙の箔打ち紙

このように金箔づくりにおいて金箔職人は、紙づくりや紙仕込みにたくさんの時間と労力、そして並々ならぬ情熱をかけてきました。金箔と紙は密接な関係があり、紙は金箔を支えるもうひとつの主役。金箔屋の紙へのこだわりは、来たる時代に誕生する「ふるや紙」にもつながっていくのです。